【獣医師監修】川崎市多摩区・中野島・生田の飼い主さんへ|犬の慢性腎臓病(CKD)の症状と治療法を解説【トレア動物病院ブログ】
こんにちは。川崎市多摩区生田にあるトレア動物病院です。
今回は、当院でもよくご相談いただく「犬の慢性腎臓病(CKD)」について、地域の飼い主さまに向けてわかりやすく解説いたします。
「最近、水をよく飲む」「おしっこの量が増えた」「元気がない気がする」
そんな変化は、もしかすると慢性腎臓病の初期サインかもしれません。
この病気は早期発見・早期ケアがとても大切です。ぜひ最後までご覧ください。
目次
1. 慢性腎臓病(CKD)とは?犬に多い理由
犬の慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)は、腎臓の働きが徐々に低下し、体内の老廃物や余分な水分を排出できなくなる進行性の病気です。
腎臓の組織は一度ダメージを受けると元に戻らず、少しずつ悪化していく特徴があります。
🐾 犬に慢性腎臓病が多い理由は?
- 加齢による腎機能低下:特に7歳を超えるとリスクが上がります。
- 症状が出にくいため発見が遅れる:気づいたときには進行しているケースが多く見られます。
- 水分摂取が不足しがち:ドライフード中心の食生活が影響することも。
- 犬種によるリスク:柴犬、ミニチュアシュナウザー、シーズーなどが好発犬種として知られています。
当院でも、10歳以上のワンちゃんの約3割に腎機能の低下が見られます。
だからこそ、日々の観察と定期検診がとても大切です。
2. 初期・中期・末期で異なる主な症状
慢性腎臓病は、進行ステージによって症状が大きく変わります。下記のような兆候を見逃さないことが重要です。
■ 初期症状(Stage1〜2)
- 水をよく飲む(多飲)
- 尿の量が増える(多尿)
- 軽い食欲不振
- なんとなく元気がない
■ 中期症状(Stage3)
- 食欲不振が続く
- 嘔吐や下痢
- 毛ヅヤが悪くなる
- 体重の減少
■ 末期症状(Stage4)
- 尿が出にくくなる
- アンモニア臭の口臭
- けいれんや昏睡
- 意識がもうろうとする
「いつもとちょっと違うな」と思ったら、早めの受診をおすすめします。
3. 主な原因と予防方法
【原因となるもの】
- 老化(自然な機能低下)
- 細菌・ウイルス感染
- 遺伝的要因(犬種による)
- 中毒性物質(ぶどう、タマネギ、薬剤など)
【予防法】
- 腎臓にやさしいフードを選ぶ(低リン・低ナトリウム)
- 定期的な血液・尿検査
- 十分な水分補給を促す
- ストレスの少ない環境づくり
当院ではシニア犬向けの腎臓チェックプログラムを行っています。ご不安があればお気軽にご相談ください。
4. 治療と自宅でできるケア
慢性腎臓病は治癒が難しい病気ですが、早期治療と継続的ケアにより進行を抑え、快適な生活を送ることが可能です。
【治療法】
- 皮下点滴による脱水防止と毒素排出
- 腎臓用療法食の導入
- 内服薬(リン吸着剤、制酸剤など)
- 定期的な血液・尿検査によるモニタリング
【自宅でのケア】
- ウェットフードやスープで水分を補う
- 食欲が落ちた際の工夫(温める、トッピングなど)
- 安心して過ごせる静かな環境づくり
- 在宅点滴のご指導も可能です
トレア動物病院では、在宅ケアや食事管理についても丁寧にアドバイスいたします。
5. 生田・多摩区で腎臓病と向き合った実例
当院に通う13歳の柴犬ちゃんは、飼い主さまが「最近水をたくさん飲む」と感じてご来院され、初期の慢性腎臓病(Stage2)と診断されました。
治療は、
- 療法食への切り替え
- 週1~2回の皮下点滴
- 定期的な血液検査
を継続しており、現在も元気に暮らしています。
早期の気づきと適切なケアが、寿命と生活の質を守る鍵になります。
6. まとめ:愛犬の「変化」に早く気づくために
慢性腎臓病は、高齢犬に多い病気ですが、日々の観察と早期の対処で快適な生活を送ることができます。
「水の飲み方」「尿の量」「ご飯の食べ方」など、小さな変化を見逃さず、気になる点があれば、早めの受診をおすすめします。
🏥 川崎市多摩区生田のトレア動物病院より
トレア動物病院では、慢性腎臓病に関する診断・治療・自宅ケアのサポートまで、飼い主さまと二人三脚で取り組んでいます。
どんな小さなご不安でも、お気軽にご相談ください。
📍病院情報
- 医院名:トレア動物病院
- 住所:〒214-0038 神奈川県川崎市多摩区生田2-3-4
- 電話番号:☎044-396-1100
- 公式サイト:https://torea-ah.com/
- 診療時間:9:00〜12:00 / 16:00〜18:30
- 休診日:火曜日・第2・第4日曜日
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